ストーリー
時は二十三世紀。地球を巣立った人類は、銀河にその領域を広げていた。
人格の情報化と量子テレポーテーションによる超高速通信網の発達は、
意識を情報化した人類による外宇宙進出を促し、構築されたネットワークにより
何百光年と離れた星々にまで瞬時に到達し、現地の資源を用いて開発を行う。
今や人類の母星としての役目を終えた地球は、外宇宙からもたらされた金属資源に
よって機械化され、肉体の死後に電子化された意識を保存しておくためのサーバ、
銀河の墓標、人造の『死後の世界』として仮想空間を構築している。
情報体《ニンゲン》にとって、今や命はただの接続パスだ。
彼らは常にバックアップを更新しながら活動し、肉体の死を迎えると同時に、
あらゆる社会的権利は停止され、外部から隔離されたバックアップサーバ……
即ち入場無料の擬似天国、地球《ヘヴン》へと転送され、接続費用があるかぎり
存在することを許されるものの、金が尽きればそのまま消える。
蒼き鋼の地球《ヘヴン》。
ある日、仮想空間に構築された死者の檻を開放せんと企む《魔女》が現れた。
彼女の名は《MI》。君のパートナーであり、ボスだ。
君はどんな人物だろうか。電脳化された世界でいまだ生身に固執する古い男か、
率先して電脳化を果たし、美しい少女の殻に身を包む人物か、
はたまた純粋に電脳技術に優れた実直な技術者か。そんなことはどうでもいい。
仮想空間において意識が自らの肉体として認識するGUI、人殻《ジンカク》。
銀河有数のクラッカーであるMIが作り上げたクラックシステムを操って、
最強無敵、突破不能と言われる地球《ヘヴン》を守る七層の防衛プログラム――
――Layer7に挑み、相棒と共に外なる宇宙を目指すのだ。
『Hello,Layer。――剥がしてやるぜ』
あるクラッカーの宣告
人格の情報化と量子テレポーテーションによる超高速通信網の発達は、
意識を情報化した人類による外宇宙進出を促し、構築されたネットワークにより
何百光年と離れた星々にまで瞬時に到達し、現地の資源を用いて開発を行う。
今や人類の母星としての役目を終えた地球は、外宇宙からもたらされた金属資源に
よって機械化され、肉体の死後に電子化された意識を保存しておくためのサーバ、
銀河の墓標、人造の『死後の世界』として仮想空間を構築している。
情報体《ニンゲン》にとって、今や命はただの接続パスだ。
彼らは常にバックアップを更新しながら活動し、肉体の死を迎えると同時に、
あらゆる社会的権利は停止され、外部から隔離されたバックアップサーバ……
即ち入場無料の擬似天国、地球《ヘヴン》へと転送され、接続費用があるかぎり
存在することを許されるものの、金が尽きればそのまま消える。
蒼き鋼の地球《ヘヴン》。
ある日、仮想空間に構築された死者の檻を開放せんと企む《魔女》が現れた。
彼女の名は《MI》。君のパートナーであり、ボスだ。
君はどんな人物だろうか。電脳化された世界でいまだ生身に固執する古い男か、
率先して電脳化を果たし、美しい少女の殻に身を包む人物か、
はたまた純粋に電脳技術に優れた実直な技術者か。そんなことはどうでもいい。
仮想空間において意識が自らの肉体として認識するGUI、人殻《ジンカク》。
銀河有数のクラッカーであるMIが作り上げたクラックシステムを操って、
最強無敵、突破不能と言われる地球《ヘヴン》を守る七層の防衛プログラム――
――Layer7に挑み、相棒と共に外なる宇宙を目指すのだ。
『Hello,Layer。――剥がしてやるぜ』
あるクラッカーの宣告
キャラクター紹介
MI
「私を妨げる物は壊します。潰して砕いてブチ撒けてみせます。この世界のなけなしの秩序を崩壊させて、
ありとあらゆる人類に迷惑をかけまくった上で、私は自由を手に入れます。いいですね、パートナー?」
銀河ネット最高峰クラスのクラッカー。ただしその活動は地球《ヘヴン》に限定されていることから、
死亡し地球に隔離された人殻がクラッカーとして活動しているものと思われていた。その正体は元エンジニアとも、
セキュリティ・コードを知っている政府高官とも、管理サービス企業の社員とも言われていた。
防御プログラムを可視化し、人殻の攻撃を画像化してクラッキングをゲーム感覚で行えるクラックシステムを構築。
プレイヤーの人殻操作能力を買い、彼を介して地球《ヘヴン》サーバを外部ネットから隔てる最強のセキュリティシステム、
Layer7に挑む。その目的は徹底して自分が自由になるためであり、それによって人権を失った人殻が外部ネットに
流出することへの社会的混乱や、その責任などは一切興味がない。
CJ
「あたしはずっとここにいる。あたしはずっとここにいたい。えへへ。だから檻は壊させないよ。
一緒に遊んでよ、MI! あたしと遊ぼうよ、君!」
MIと並ぶ銀河ネットの最高クラスハッカー。基本的に愉快犯で、他愛ないいたずらレベルのクラックを途方もない規模で行う。
その活動領域は銀河ネット全域に及び、しかもほぼ同時刻に並列してクラッキングを行ったログも確認されているため、
CJという存在はひとつの人殻を共有しているクラッカー集団ではないか、と推測されている。
MIのクラックシステムを外部から解析、Layer7突破に集中していた彼女の隙を突いてコピーし、
自ら人殻を操作して介入してくる。その目的はプレイヤーの『難易度を上げる』ためであり、ゲームをより楽しくするための
テコ入れとしか考えていない。
プレイヤー
「自分のことだ。わからないのか?」
いわゆる「あなた」。
MIによって設計されたハッキング特化のウィルスプログラムでも、脳死したハッカーの意識を回収して
人殻に組み込んだ物でも、この電子化された世界において肉体を保ち続ける時代遅れのハードボイルドでも、
どのような人物像でもかまわない。確かなのは相棒と共に、くそったれな地球《ヘヴン》に挑むということだけだ。